「学問のすゝめ」とは?
近代日本最大の啓蒙思想家とも言われる福澤諭吉の大ベストセラーです。
国家と個人の関係を見つめ、世のために働くことで自分自身も充実するという生き方を示してくれています。
言わずとしれた名著であり、日本だけでなく世界でも大いに評価されている傑作と言えます。
私は以下の本を参考に読み進めました。日本屈指の教養人として呼び名の高い斎藤孝が現代の人にも伝わりやすい表現で訳してくれています。非常に読みやすいです。
学問のすすめ 現代語訳 (ちくま新書) | 福澤 諭吉, 斎藤 孝 |本 | 通販 | Amazon
「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」の解釈は間違っている?
皆さんもご存知、この言葉。
どのように解釈しているでしょうか?
私は世の中は平等にあるべきで、人間に上も下もないのだと考えていました。 もちろんその解釈も誤りではないのですが、その節には続きがあります。
天が人を生み出すに当たっては、人はみな同じ権理(権利)をもち、生まれによる身分の上下はなく、万物の霊長たる人としての身体と心を働かせて、、、、、以下略
と生まれ持って権利に違いはなく、そのように天から権利を与えられていると記述されています。
しかし、このあとには、
しかし、この人間の世界を見渡してみると、賢い人も愚かな人もいる。貧しい人も、金持ちもいる。また、社会的地位の高い人も、低い人もいる。こうした雲泥の差と呼ぶべき違いは、どうしてできるのだろうか
と続いています。 単に「みんな平等でみんな救われる」とある種、宗教のように救済するということが主題ではないのです。
生まれ持って人は平等であるけど、その後に社会的・人間的・経済的に上も下もできるのはなんでだろう?と話を展開していくんですね。
「学問」を正しく身に着けているかがそれを分けている!?
そして、タイトルの伏線を回収していきます。
ここから数章に渡って、ここで言う学問の位置づけや、その身に付ける際の注意点を論じていきます。
そこには、福澤諭吉の考える正しい国民のあり方・国家のあり方に加えて、ビジネスにも実生活にも結び付けられる人生設計の技術や人付き合い、正しい実行力などが記されています。
これから何回かに分けて私が良いと思った内容を、私なりの独断と偏見からピックアップしていきます。 次回の投稿では、「人生設計の技術」と「正しい実行力」について紹介していきます。
P.S..
ここでの解釈は私なりの解釈である、ということにご注意ください。
昨今よくある一つのテーマに沿って書かれた自己啓発本と違い、読む人の考え方や背景、はては時代によって理解にも広がりができる本であります。
「その解釈は間違っている!」、「私はこのように解釈したよ」ということあれば、どしどしコメントいただければと思います。